先日、こんな話を聞きました。
「きちっとでなくていいから、棚を直して欲しい」
と大工さんにお願いしたら、
「そんなことは出来ない。」と断られたそうです。
大工さんにお願いした人は、とりあえず今より良くなればと思ったのだそうです。
大工さんにしてみれば、
「いい加減な仕事はしたことがないし、できない。」ということらしい。
もし、ザックリ直して「大工さんに直してもらった」、
なんて言われたら大工さんも心外でしょう。
なんとなく解かるなぁ、大工さんの気持ち。
お客様の言うとおりにしたのに、職人の腕が悪いように思われます。
「どこの大工さん? もうちょっと何とかならなかったのかな。」
なんて言われる可能性も大いにあるでしょう。
簡単に直るようなら、日曜大工で、お父さんにでも活躍してもらったほうがいいんじゃないの、
なんて、大工さんは思ってしまうんじゃないでしょうか。
大工さんだけでなく、職人さんが簡単そうにやってる事でも、
いざ、素人がやろうとすると中々難儀な事は沢山あります。
クリーニングもそういうもの、あります。
ドライクリーニング表示のものを、
ご家庭で「ドライ用洗剤」で水洗いするとします。
ドライクリーニングをした感覚で洗われていますが水洗いです。
溶剤で洗うドライクリーニングではありませんので、
当然、型崩れしてしまうものも中にはあります。
私が好きな月刊誌の『Free&Easy』では、
通常ドライクリーニングの表示があるであろう、ハリスツイードのジャケットを
ヤレ感を出すために自分で手洗いする事を紹介していました。
それは「ラギッド」というスタイルにするためです。
もし、それを元の状態に戻すとすれば、
クリーニング屋でプレスしないと元には戻らないと思います。
そんな家庭洗濯をしないほうが良いアイテムは、
ドライクリーニングするわけですが、
水を使って処理しておいたほうが良いアイテムもあるんです。
ドライクリーニング+部分的な水処理。
当然、ご家庭では出来ない仕事です。
例えば「汗の処理」です。
ジャケットのワキの部分。


フォーマルワンピースのワキの部分。

どちらのアイテムも、
とりあえず「ドライ用洗剤」で自分で洗ってみよう、
とは思わないアイテムだと思います。
どちらのアイテムも、
御客様から汗抜きを指定頂いたわけではありません。
でも、必ずおススメいたします。
汗が付いたままに収納されますと
汗染みが出てきて最悪の場合変色します。
「クリーニング屋さんがそういうけど、やらなくともいいです。」
という場合もあります。
この場合は非常に微妙な気持ちになりますね。
内心、こりゃ染みになって着れなくなるぞ、って。
洋服は、生き物です。
ポリウレタン加工のように寿命があるものは別ですが、
大抵のものは、お手入れ次第で長持ちすると思います。
専門職には常識でも、一般の人にはわからない事は沢山あると思います。
ご用命を頂きまして有難うございました。
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