「あんまり汚っでだがら、使わねぇんだど。
染みも付いでるっていうし、何とがならねがって。」
　「何とがって、染み取って、洗うど、いいんだべがっす？」
何となくお解かりでしょうか？山形弁。

洗うといいのか、なんて簡単に申しましたが、
エルメスって事はすぐに認識出来た訳です。
アメカジのブランドを聞かれますと、
古着で流通している値段も分らなくはないくらい興味があって、
古い革のショルダーバッグやグルカのバッグには反応しても、
エルメスのバッグにはほとんど興味がございません。

では、全く分らないのかと申しますと、
高額なのは容易に想像は付きますし、
実際にエルメスのショップにも行った事があります。

ブーツにGパン、レザーのジャケット。
自分としては、いつもの格好なのですが、
お店の雰囲気からして、もう二度と来る事もなさそうだな、とも感じました。
連れの友人が、エルメスの手帳の中のノートの部分を買いました。
確か1万2、3千円だったと思います。
「すげえ手帳持ってんだな。何書いとくのよ。」
なんて失礼な事を言ったかもしれません。
もう、何年も前に東京に旅行に行った時の話です。

当時、当店に車で何十分も掛けて
エルメスのシャツをよくお持ち下さるお客様がいらっしゃいました。
殆んどがボタンダウンのシャツで、カフスのボタンがメタルのやつ。
カシミヤのセーターなんかもエルメスでしたし、コートもそうでした。
バルバやボレッリのシャツもお持ちで
パンツはインコテックスが多かったですかね。
当時、そのエルメスのシャツが4万3千円～のお値段だとも認識はしていた訳です。

県外にお住まいのお嬢さんから、
「汚れているから使わない」
とお聞きになったお母様。
折角のHERMESのバッグですもんね。
キレイになったほうがいいっすもんね。
リスクのご説明をいたしまして、染み抜きとクリーニングを致しました。

↓



ビフォーとアフターの画像がわかりづらくて恐縮なのですが、
結果はキレイになりました。
布地のところには全体的なスレの汚れと、多少の黄ばみ、
そして、コーヒをこぼしたような染みがありました。

「キレイになって、これでまた使えるね。」って言っていただいたそうです。
良かったですね。
キレイになって私も嬉しいです。

ご用命を頂きまして有難うございました。
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