仕立て屋のオヤジさんの蘊蓄

昨日、仕立て屋さんに行ってきました。
当店の「お直し・リフォーム」のメニューが増えて、
自分の店では手に負えない依頼もあるんです。
そのような物は洋服の縫える職人にお願いしたいんです。

知り合いからの紹介です。
初めてお邪魔した洋服店でしたが、
オヤジさんが個性的な人でした。

珍しいファスナーなんかも沢山あるようで、見せてもらいました。
「このファスナー、日本のものじゃないんだよ。」
 「へぇ~、どこのですか?」
「タロン(TALON)って言うんだけど解かるか?」
 「分りますよ。」
「これは国産のとは違って、こうやっても大丈夫なんだよ。」
と、閉じたファスナーをビッと広げて、また上げて見せてくれました。
「国産はこうはいかないんだなぁ。」
 「ほぉ~。そうなんですか・・。すげえなタロン。」
YKKの閉じたファスナーを、わざとビッと広げたこともないし、
真偽のほどはわかりませんが・・・。

初めて入った洋服屋のオヤジさんから、
まさかタロンジッパーの話を聞くとは思いませんでした。
タロンといえばアメリカ製の古着(ビンテージ)によく付いてるやつです。
でも、フライトジャケットに付けるような長いファスナーは無いんじゃないかな。
 「ジャンパーやGパンに付けるものなら需要はあるのになぁ。」
なんて思ってしまいました。
ファスナーでは日本のYKKが世界で一番でしょ。
偽物も出ているくらいですから。
それが、勧められたのが、まさかのタロンとは意外でした。

「オレ、昭和8年生まれだよ。」
 「もしかして今年、77歳じゃないですか?」
「そうだよ。」
 「直し代、払っていきます。おいくらですか?」
「前金は貰わないんだ。やる気がなくなるから。」
と言って、オヤジさんはニヤっと笑いました。
私の亡くなったオヤジと同い年。
この個性的な洋服屋のオヤジさん、どんな仕事をしてくれるのでしょうか。

さて、
仕立て屋さんでオーダーした物ではないのですが、
ツイードのブレザーをお預かりしました。


LANVIN(ランバン)のツイードのブレザーです。

こういった染みが沢山ありました。

↓ 腕とか、


↓ 袖口とか。

きれいに取れましたよ。

ご本人がお持ちになったのではありません。
ここならキレイになるのでは、と言って代わりの人がお持ち下さいました。
このブレザー、とても着やすいんですって。
そう言われればふわっとしているというか、
軽い感じのブレザーでしたね。
内ポケットなどダメージになっていたところもありましたが、
着やすいものって大切にしたいです。

オーダーもので、作ってくれる職人さんが同じ人なら、
生地次第で、着心地はあまり変わりなくできるでしょうが、
既成服の場合は、まず無理でしょう。

「お気に入り」の物ほどお手入れは入念にしておきましょう。
洗うと生地が傷むと思っておられる人もいるようですが、
きちっとお手入れをしないほうが長持ちはしませんよ。
染みが取れなくなったり、虫食いにあったりしますから。

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